社交不安(対人恐怖)とパニック発作のカウンセリング

社交不安障害とパニック障害のSkypeカウンセリング

パニック障害のカウンセリング(認知行動療法)でやること・・・その③

臨床心理士の藤井です。

最近、パニック障害のカウンセリングについて何回かお話をしています。

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goscafe.hatenadiary.com

 

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パニック障害の方には、以下のような思考や行動が多く見られます。

●発作が起きるのが怖く外出の制限が増えていく
パニック発作を経験した後は、身体の変化や違和感に敏感になる
●常に最悪の結果を考えがち
 

そしてこのような思考や行動のパターンに縛られていくわけです。

このようなパターンを少しずつ変えていくのが認知行動療法になります。

 

まず、認知行動療法ではこのような図を使い、あなたのパニック障害について

理解していきます。

 

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その次に「認知再構成」という方法を使い

パニック障害特有の考え方である「常に最悪のことを考える」

を変化させていきます。

 

認知再構成では

・心理教育

・パニック日記

・認知変容

などの方法を使用していきます。

さて、その次が今日のお話です。

 次にやるのが身体感覚エクスポージャーです。

また、難しい言葉出てきました。

エクスポージャーとは

「苦手なものにあえて挑戦していくことで慣れていくこと」です。

簡単な事例を使って身体感覚エクスポージャーについて概略を説明します。

 

パニック発作で悩むB子さん

・B子さんは鼓動の高まりを感じると不快感が起きてしまう。(身体感覚への過敏さ)

・鼓動が早くなると過呼吸が起きやすいと考えしまうのだ。

過呼吸が起きると「死んでしまう」と思い込んでいる。

 (最悪のことを考えるという破局的思考)

・そのため、運動を避けているし、外出することも控えがちである。

・これらの状況を打破するために身体感覚エクスポージャーを行った。

・まず面接室で過呼吸に似た感覚を起こした。

・具体的には細いストローで呼吸を繰り返す(1日3回、1分間)

・面接室の他に自宅でも細いストローを使った練習を行う。

・これらの練習により、恐怖や不安は下がってきたし、

・まず、鼓動が早くなっても気にならなくなった。最悪なことも考えなくなった。

 

これらが身体感覚エクスポージャーの概略です。

疑似的にパニック発作的な感覚を作り出し、それを繰り返してもらうことで

慣れてもらうというもの。

エクスポージャーの目的は、以下の通りです。

・恐れている感覚(過呼吸、動悸)や場所に居ても最悪の結果は起きない

・最悪のことを考えても、その考え通りにはならないこと

 

これらを体験的に学習するために身体感覚エクスポージャーを行います。

それでは身体感覚エクスポージャーの手順を説明します。

 

 

①まず内科的な問題がないかをチェックします。

体の病気でパニック発作のような症状が出る場合があります。

パニック障害の治療の前に内科の診察を受けることをお勧めします。

内科的に問題がないのがわかったらパニック障害の治療へ

 

②あなたを苦しませている身体感覚とそれに伴う「考え」を特定しておく。

あなたを苦しめている具体的なパニック発作の症状をいくつか書き出してみましょう。

そのパニック発作が起きる前に生じる身体感覚も一緒に書き出してみましょう。

最後に身体感覚に伴ってわいてくる「破局的思考(最悪なことを考えしまう)」も

書き出す。

 

③チャレンジする身体感覚を決める。

B子さんの胸の鼓動のようにチャレンジする身体感覚を決めます。

決めたら、その感覚を疑似的に起こす方法を練習します。

 

④疑似的に起こす方法を何度も繰り返す

カウンセラーと一緒に面接室、あるいは自宅で身体感覚エクスポージャーの練習を

行ないます。B子さんの事例で言えば細いストローでの呼吸を練習する部分です。

 

⑤身体感覚と「最悪のことを考える傾向(破局的思考を再評価する)」を再評価する

練習を繰り返すことで

・嫌な身体感覚(鼓動)が起きてもパニック発作(過呼吸)は必ず起きない

・「最悪なこと」は起きない

・「最悪なことを考える」という傾向は鳥越苦労だった

 

など経験を学習します。身体感覚についての思い込みがどうなったかを

改めて評価していきます。

 

これらが身体感覚エクスポージャーの手続きになります。

ざっくりいうとわざと不快な症状(疑似症状)を起こして、

それが起きても「最悪なことにならない」という経験を積み重ねていく

ことがエクスポージャーです。