社交不安(対人恐怖)とパニック発作のカウンセリング

社交不安障害とパニック障害のSkypeカウンセリング

対人恐怖症(社交不安障害)で認知行動療法を受ける前に知っておきたい4つ言葉

臨床心理士の藤井です。

 

 

対人恐怖症(社交不安障害)

 

 

この病気の治療に効果的なのは

薬物療法認知行動療法です。

前者はお薬を飲むということ。

後者は聞きなれない方も多いと思います。

認知行動療法はいわゆるカウンセリングの一種になります。

 

認知行動療法は数多くの研究で対人恐怖症、

社交不安障害に治療効果が存在することが証明されています。

そして、お勧めの理由もこちらで書かせてもらいました。

goscafe.hatenadiary.com

 

認知行動療法は効果はあるものの、使用する言葉が難しいんですね。

ですので、とっつきにくさもあるかと思います。

今回は、認知行動療法独特の言葉を解説したいと思います。

 

 

それでは言葉の解説に移りたいと思います。

まず、このモデルをご覧ください。

 

①対人恐怖症(社交不安障害)の人は偏った

「認知」がある。

偏った認知・・・早速難しい言葉が出てきました。

認知とは「考え」のことです。

認知の中でもある出来事に出会って即座に浮かんでくる考えを

自動思考といいます。

 

自動思考をカウンセラーと一緒に検証することが認知行動療法のスタートです。

具体例を見ていきましょう。

 

対人恐怖症で悩むAさん。Aさんは仕事のプレゼンの前になると

自然に

●「声が震えてしまうんじゃないか」

●「うまく話せないかもしれない」

●「他の人は上手いけど自分のプレゼンは下手」

 

などという考えが自然に浮かびます。

プレゼンという対人場面とネガティブな考えが強く結びついているのです。

このような考えによって、不安は益々強まります。

 

②自動思考の基礎には独特の信念がある。

 先ほど書いた

●「声が震えてしまうんじゃないか」
●「うまく話せないかもしれない」
●「他の人は上手いけど自分のプレゼンは下手」

 

という考えですが・・妥当なのでしょうか。

プレゼンで評価されるべき内容は話し方だけではありません。

プレゼンの質、テーマ、熱意等いくつかあります。

しかしAさんはそのような部分は重要視せず、

とにかく「話し方」に気を取られ、自信を失っているようです。

 

ネガティブな自動思考のもとにある

「緊張した様子を他人に気づかれてはいけない」

「話し方がうまくなくてはいけない」

 

という思い込みや価値観のことを

信念と言います。別名スキーマとも言います。

 

不安の原因には自動思考があり、さらにその基礎に信念があるのです。

 

③不安になると安全行動をしてしまう。

これが不安を高めることに・・・。

不安を感じる場面で安全を最優先する行動を認知行動療法では

「安全行動」といいます。

不安で悩む当事者にとって「安全行動」は不安を和らげるために必要な

役に立つ行動と考えるのですが…

長期的に見るとますます不安を大きくしている不適切な行動になってしまいます。

 

Aさんの場合ですと

・プレゼンの時に下を向く

というのが安全行動になります。

 

Aさんにとって下を向いて話すことで不安な表情や

不安な目つきをしていることを隠そうとする工夫をしているつもりなのです。

実際には下を向けば向くほど、声は出にくいし、目前にいる聴衆の様子も

わからないので「他人が自分を見て笑っているに違いない」という想像が

膨らんでしまいます。

 

このように不安を隠そうとする、避けようとする行動が不安感を悪化する

ことになります。一時の安心を求めて…結局逆効果なんです。

この安全行動を減らすことが治療に大切です。

 

④不安が強い人は自分自身に注意が過剰に向いています。

Aさんはスピーチの間、

「みんなは自分のことを呆れて笑っているに違いない」と思っていたそうです。

実際に聴衆はAさんのことをそれほど見ていたでしょうか?

 

Aさんは聴衆の反応を気にしていたのですが、Aさん自身は聴衆を見ていませんでした。

それどころか、不安な自分自身に注意が向いていたのです。

意外な感じもするのですが社交不安障害、対人恐怖症の人は他人よりも自分に

注意が向くのです。

 

具体的に言いますと、

●自分がどう見られているか?

●こんな自分はどのように思われているか?

という想像にがんじがらめになっていたり、自分自身の声の震えや顔の熱さなどの

感覚に注意が向いてしまいます。

このように自分に注意が向きすぎてしまうと余計に不安が増大してしまいます。

 

プレゼンをうまくやるには、自分の注意を他者に向け、他者の反応を確かめて、

反応に応じて臨機応変にプレゼン行動を変えていく必要があるでしょう。

寝ている人がいれば起こすために大きな声を出すとか(笑)

 

自分に注意を向ける量が多いと気づいたら、他者に注意を向けるように仕向けるのも

一つの方法です。その方法も認知行動療法の中で練習していきます。

 

以上、自動思考、信念、安全行動、注意について説明しました。

これらを認知行動療法を受ける前に知っておくと余計に効果的です。